<よりぬき>rennyの備忘録

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『好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコース』とか『日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)』とか『楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型』とか、そういうファンドへの素朴な疑問 (2014年9月14日 公開)


ネット証券の売れ筋を見ていると、タイトルに挙げたファンドが目立ってます。
これらのファンドを眺めていると、ふと素朴な疑問がわいて来ます。

好配当グローバルREITプレミアムF通貨Sへの素朴な疑問

日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)への素朴な疑問

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎への素朴な疑問


ここに並べたのは2014年9月12日時点の基準価額です。
この基準価額、原則、毎日変化しています。

なぜ基準価額が変化するのか、それはファンドに組み入れられた資産の時価等が日々変化しているからです。
では、最初のファンドに組み入れられている資産はどんなものでしょうか。請求目論見書を確認してみましょう。

主たる資産は『UBP OPPORTUNITIES SICAV-SIF - TCW GLOBAL REIT PREMIUM Multi-Currency』なるルクセンブルグ籍の外国投資信託とのことですが、請求目論見書での説明はこんな感じです。

クリックで拡大します。
このファンドの基準価額って公表されてます?

ただ、見つからないのです。このファンドの時価を調べる方法が。
もちろん、どんな風にこのファンドの時価が算出されているのかも、特に説明されていません。ファンドに組み入れられている主な資産の時価を投資家はどうやって把握できるのでしょうか。

2つ目のファンドの主な組み入れ対象資産。
『Japan Equity Premium Fund Class A』なるケイマン籍のファンドを主な組入れ資産とするようですが、これまた、この主要な資産の時価を知る術、どうやって時価が計算されるか等の情報は見つけられませんでした。

3つ目のファンドの主な組み入れ対象資産。
特定のユーロ円債(リート連動債)、いわゆる仕組債を主な組入れ対象としているようです。この仕組み債の時価の説明、時価がどうやって決まっているか、ということに関してはありませんでしたが、基準価額については、こんな記載がありました。

投資信託財産に属する資産(受入担保代用有価証券および借入有価証券を除きます。)を法令および一般社団法人投資信託協会規則にしたがって時価または一部償却原価法により評価して得た投資信託財産の資産総額から負債総額を控除した金額(以下「純資産総額」といいます。)を計算日における受益権総口数で除した金額をいいます。」

しかし、運用報告書には、組み入れられている資産をどうやって評価しているのか、ということについては説明を見つけることができませんでした。

ファンドに組み入れられている資産の時価を知る術が無かったり、それを把握する計算手法等が分からない、こうした点について適切な説明が無いのに、ファンドの基準価額って信頼をどの程度寄せられるものなのでしょうか。特に複雑な運用を行なっているのであれば、なおのこと、しっかりと説明すべきではないか、と思うのですが、如何でしょうか。

上記で挙げたファンド(や、その類の多数のファンド)の基準価額って本当に信頼できるの?とさえ思うのです。組入れたい対象をどう評価して、どのように計算されているのか、しっかりと説明する必要があるのではないか、ということです。さすがにヘンなこと(基準価額が落ちないような妙な細工とか勝手な解釈とか)は無いだろう、と想像しますが、ヘンなことをしていないのであれば、しっかりと説明できるはずですよね・

上記で挙げた極めて根本的な情報も提供されていないにもかかわらず、これだけ売れてしまうという現状には本当にビックリです。おそらく、現状の情報開示であっても、これからもまだまだ売れ続けるのでしょう。

そこでお尋ねします。

アナタが保有しているファンドはどんな資産をもっているのですか?
その資産の時価はどのようにすれば把握できますか?

この問いの答えに詰まる場合、
アナタは分からないもの、理解していないものに投資しているのです。