<よりぬき>rennyの備忘録

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衝撃のリポートを入手!!(その2)

先日のエントリの続きです。 衝撃のリポート入手!!(その1) このリッパー・リポートをボクはこれまで全く知らなかったのですが、 海外市場を定期的にリポートする貴重な存在だったようです。 その意味は、今回の配信中止というのは残念なお話のようです。 さて、本題です。 リポートの2つ目のコラムは 「週刊ダイヤモンド」の罠。時代遅れの投信批判にだまされるな! というタイトルです。 最初にコラムの筆者がまとめています。
まず、今回の特集を読んで違和感を覚えた点を、箇条書きにしておきたい。
1.投資信託をいまだに日本株ファンド中心に考えている。
2.投信会社における運用以外の仕事を軽視し過ぎている。
3.個人投資家の投資知識の習得意欲を無視している、
といったところだろうか。そして、総じて言えるのは、投資信託の役割をパフォーマンスのみに限定し、パフォーマンスに対して過剰な期待を持ってしまっている、
ということである。


何度もコラムを読み返して、この筆者のロジックがやっと理解できました。

まず、投信は今や日本株式を投資対象としているものばかりでなく
外国株式・外債などを投資対象とするものが大きく増えている。
したがって、信託報酬の上昇はやむを得ない。
なぜなら単なる運用の仕事だけでなく、それ以外の資料作成が必要なのは当然。
また、個人投資家は旺盛な意欲で投資知識を習得しようとしており、そのうえで商品を選択している以上、「高過ぎる信託報酬」とはお門違いも甚だしい。

ということでしょうか。

結果として、次のような主張にたどり着いています。

投資信託は、個人では実現できないキャッシュフローを実現するための手段(毎月分配型ファンド/定期分配型ファンド)として、今や大きな役割を果たしている。
(中略)
そして、何よりも、個人では投資しにくい資産(外貨建て資産など)に投資するための手段として、他の金融商品との優位性が認められつつある・・・


毎月分配のようなタコ足商品が「個人では実現できないキャッシュフローを実現している」と胸を張っているところにはビックリしました。(実現できるでしょ。)
後段の部分は確かにその通りですが、外国株式・外国債券のインデックスファンドもロクに無いのにアクティブファンドばかりが提供されている実態はどうなのでしょう。

コラムは最後にこのように結ばれています。

週刊ダイヤモンド」は、投資信託におけるパフォーマンスを競う手段としての役割が低下している、ということを全く理解していないように思える。つまり、批判の内容が現状に沿っていない、時代遅れなものになっているのである。
(中略)
役割の変化を無視して、投資信託(とりわけパフォーマンス)に過剰な期待を寄せるから、裏切られた時のショックが大きくなる。投資信託は、魔法の器ではなく、できることは限られている。それを理解せずに、投資信託に「収益」を頼ろうとするから、誤った投信批判が出てくるのである。
役割以上のものを投資信託に期待しないこと
------これが投資信託を正しく理解するための第一歩だと言いたい。


なんと、
投信に収益は期待しないように、
投信で資産形成を考えようというのは筋違いですよ、
ということのようです。
確かに今の売れ筋投信で資産形成を目論むのは誤りだと思いますので、
この指摘はある意味正直で正しい指摘なのかもしれません。

全体を通して
ダイヤモンドの批判なんて時代遅れだ、信託報酬は高くないぞ、
これまでの流れを変えることは無い、自信を持って団塊の世代に売っていけ、
という業界に対する力強いエールとなっています。

このコラムを読んで
投信への長期投資で資産形成を考えるボクらの世代が求める低コストの商品のバリエーションがしばらく増えることはないだろう、と改めて納得しました。