<よりぬき>rennyの備忘録

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敗者のゲーム なぜ資産運用に勝てないのか

資産運用を考え始めたら最初に読むべき本として、各所で薦められているこの本を読み終えました。 敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか日本経済新聞社チャールズ・エリス(著)発売日:2003-12-04おすすめ度:amazon.co.jpで詳細をみる (Amazy) 実はこの本には先入観があったのですが、誤解でした。 ボクの先入観というのは、この本はインデックス投資の良さを強く訴えている本、というものでした。読み終わってこれが誤解であったことに気づきました。確かに、インデックス投資を節々で薦めてはいるのですが、アクティブ投資を完全否定しているわけでも無いようです。「平均への回帰」という概念で、成績の良い運用会社も時間の経過とともにインデックスに近づいてくる、と主張しているのでインデックス投資の優位性を暗に示しているようには思いましたが。しかし、この本自身は、アクティブだ、インデックスだという部分以外に力点が置かれているように感じました。

この本の主張は、資産運用で成果を挙げるためには投資家が長期にわたる資産運用の方針について主体的に考えよ、ということだと理解しました。「時間」を味方につけて「インフレ」に打ち勝つためにどのような投資方針を採るかについてまで、他人任せにしようとしている、あるいは、コロコロと考えを変える投資家の姿勢を強く戒めています。こうした方針を作るためのプロセスにコストを支払う方が、運用会社、証券会社に手数料を支払うより合理的ではないか、と指摘しています。問題は、こうしたプロセス作りをキチンと手伝える有能なコンサルタントってどの程度いるのか、ということだと思いますが。

ボクのブログでは、とかく運用会社・運用商品について批判しがちではありますが、こうした日本の状況を産み出しているのは投資家自身という面も大きいように思います。運用商品を提供する側の影響力を極力排した状況で投資家自身が主体的に考えられる環境が必要なのではないでしょうか。