<よりぬき>rennyの備忘録

投信ブログ「rennyの備忘録」の<よりぬき>を試験的に。過去、沢山のアクセスを頂戴したエントリを気ままにPick UP!

ミクシィ狂騒曲

このブログでも話題にしましたミクシィIPOしました。時価総額がなんと2,000億円。驚きです。PERが…などというお話は野暮なので止めておきます。 ボク自身、この銘柄のIPOそのものには異論ありません。むしろポジティブです。SNSというサービスを日本に根付かせ、さらにこれからの成長のために株式を公開する、それ自体、先日取り上げた2銘柄のIPOに比べればマトモだと思います。 しかし、このバリュエーションはどうなのでしょう。
「人気なんだから当然」、あるいは「素晴らしい」とかそんな感想はとても持てません。ボク自身ベンチャー投資に仕事で携わっていますが、この現状には大いに疑問を抱きます。長期的に見て、ベンチャーキャピタル投資に関して良からぬ災厄をもたらす可能性を危惧します。
ミクシィがこの市場の期待に応えられるような業績(ものすごく大きな期待です)をキッチリ残してこの評価を維持(ホントはさらなる評価の上昇)できれば杞憂に終わりますが、もし何かの理由で大いに評価を下げた時、ババを引いてしまった個人投資家(ババを引くのも自己責任ですが)がベンチャー銘柄への投資を拒絶するようになります。
こうした現象、日本の市場で何度も繰り返されているように思います。こうした繰り返しの当事者、特に主幹事証券会社(今回の主幹事証券会社は特にそういう事例が多いような印象を持っています。)には強い反発を覚えます。こうした市場に長期で参加しようとする投資家を増やすことには関心が無いのでしょうか。その時々で話題になりそうなセクター・銘柄で一種の「お祭り」を演出するということが彼らの役割なのでしょうか。
成長著しいベンチャーに資金を提供する市場の機能は、今後ますます重要になってきます。ベンチャーを長期で応援したいと考える投資家を増やすことが不可欠です。

「お祭り」はその時しか人が集まりません。「お祭り」が終われば閑古鳥。
そんな市場でホントに良いのでしょうか。